家は,人にとってとても大切な場所です。
家族との団らんの場所,一人でゆっくりくつろげる場所・・・家という場所の持つ価値は人それぞれですが,その価値も,住まいとしての家が安心して住める環境にあることで,はじめて保持できるものです。「住まいは人権」,と言われるゆえんです。
しかし,時として,その住まいが安心して住めなくなってしまう状況になることがあります。雨漏り,家の傾き,外壁の不自然な劣化・・・。安心できるはずの場所が,大きな不安の種になってしまうのです。そして,もしその問題が,建築の施工不良だったり,そもそもの設計の不具合だったらどうすればよいでしょうか。誰を相手に,どのような請求ができるのか,何から手をつけたらいいのか,知識がなければ途方にくれてしまいます。
そのようなとき,私たちにご相談ください。私たちは,建築紛争を,取り扱う専門分野の一つにしています。「住まいは人権」,この考えを大切にしながら,建築紛争の解決を多く手がけてきた建築士とのネットワークを生かして事件に取り組みます。
建築紛争を解決するのに一番大事なことは,その事態が,何を原因として発生しているのかを明確につかむことです。そして,判明した原因をもとに,誰に対してどのような請求ができるのかを判断します。この段階が建築紛争の解決に最も重要なところです。
このとき,法的知識と建築知識,どちらかが欠けてしまうと,誤った方針選択に陥ってしまいます。
当事務所は,建築紛争を専門分野の一つと位置づけています。
建築紛争の解決のノウハウを持った弁護士が,建築士グループとの緊密なネットワークを生かして,問題の原因の究明と紛争解決までの法的手続の選択を決定します。
そして,問題を起こした業者との交渉,さらには裁判手続まで,弁護士と建築士が,チームとして,一丸となって問題の解決を目指していくことになります。ここでも,相手方は専門知識が豊富な建築業者,そしてその顧問弁護士であることが多く,こちらも,それに対抗できるだけの専門的な法知識と建築知識で対抗する必要があるのです。
費用については,当事務所の報酬についてのページをご覧ください
報酬のページただし,建築紛争の解決には,弁護士の費用のほかに,建築士に対して支払う費用が別途発生する場合があります。事案によっては建築紛争を有利に進めるためには建築士の助力が不可欠です。事案ごとに依頼者の方に説明させていただきながら建築士にどのように関わっていただくか決めていきます。
①戸建て住宅の雨漏りの事例
例えば,一戸建て住宅で雨漏りが発生した事案を考えてみましょう。
漏水の事案の特徴は,どこから水が漏れているのか,何が原因なのか不明な場合が多いことです。漫然と撒水試験を行うだけでは,何が原因でどこから漏水しているのか分からないことも多くあります。
このような場合,専門の建築士に依頼しつつ,これまでの漏水の状況を依頼者様から詳しく聞き取り,調査方法についても工夫をする必要があります。 実際の事案でも,そのような調査の結果,漏水の箇所と原因を特定することに初めて成功することも多くあります。
また,漏水の箇所と原因を特定することができ,その原因について責任を負うべき立場の者を特定することができます。その上で,その部分の施工を行った業者等を相手に雨漏りの修理工事の請求や損害賠償請求を行うため,交渉,あるいは裁判へと進みます。
請求の内容としては,補修工事あるいはその費用,また補修工事期間中の引っ越し費用,仮住まい費用等となります。
②マンションの外壁剥離の事例
マンションが竣工してからしばらくして,外壁に施工されたタイルのあちこちが浮いてくる現象が発生することがあります。タイルの浮きは年々大きくなり,外壁タイルの落下による住民や通行人への危険も心配されるようになります。補修工事の金額も,マンションの規模によっては大変高額なものになることがあります。
このような場合にも,まずは弁護士と建築士が共同して調査検討をしていきます。建築士は原因の調査を行い,それを受けて,弁護士が誰にどのような責任追及をすることが出来るのかを法的に検討していきます。その際には,法令のみならず,施工当時の建築工事共通仕様書やJASSなど,様々な資料を検討することになります。
その上で,誰にどのような請求をするのか,請求するとして交渉を行うのか,裁判手続をおこなうのかを,依頼者,建築士,弁護士がチームを組んで検討した上,実行していきます。
③戸建てのリフォームの問題
古くなった一戸建てを工務店に頼んでリフォームしたという場合,リフォーム工事が原因で,リフォーム前にはなかった問題がお住まいに発生することがあります。これまで手がけた事案では,例えば,壁のクロスに不自然なほど多くのヒビがはいるようになったり,さらには地震の時にリフォーム前より大きな揺れを感じるようになった事案もありました。