取り扱い業務

被害者支援

「加害者を告訴して刑事罰を受けさせたい」
「裁判の中で裁判官に直接犯罪被害や思いを伝えたい」
「被害について損害賠償請求をしたい」

犯罪被害を受けた場合,被害にあったご本人もそのご家族も多大な精神的な苦痛を被り,不安な気持ちになられると思います。
  どのようにすれば刑事事件化できるのか? 捜査の記録は見ることができるのか? 加害者はどのような刑事処分になったか知りたい場合にはどうすればよいか? 裁判手続に参加することはできるのか? さまざまな疑問があるかもしれません。
 犯罪被害にあった場合,被害者保護の観点からさまざまな制度が用意されています。 それぞれの方のご要望にそって,当事務所は被害者の方のサポートをいたします。まずは,ご相談ください。

被害届を出すことや,親告罪の場合に告訴状を提出することは,刑事事件化するために必要な手続きです。刑事事件として立件された後も,加害者がどのような処分になったのかを知るためには,検察官に問い合わせることが必要となります。これらの手続きは弁護士が代替することが可能です。
 また,殺人や傷害など故意の犯罪行為による殺傷事件や強制性交等罪,強制わいせつなどの一定事件については,被害者や被害者の親族が希望し,裁判所が許可した場合には,刑事裁判へ参加する被害者参加制度があります。このような場合には,被害者参加人代理人弁護士として,被害者本人のお気持ちや事件に対する主張を裁判において示すお手伝いをすることができます。
 また,刑事事件とは別個に,民事事件として損害賠償請求をしていくことも手段として考えられますし,刑事裁判終了後にその裁判を扱った裁判所に損害賠償請求事件について裁いてもらう損害賠償請求命令申立という手続きもあります。
 当事務所へご相談いただければ,刑事手続がどのように進んでいるのかをご説明しながら,被害者の方のお気持ちを裁判手続で代弁するお手伝いをすることができます。

費用については,当事務所の報酬についてのページをご覧ください

報酬のページ

①自動車事故で母親を亡くしたご遺族が裁判に参加する事例
 ご遺族が被害者参加人として裁判へ積極的に参加していくためには,あらかじめ検察官に対し,被告事件の手続きへの参加を申し出る必要があります。個人で検察官とのやり取りをしていくことも可能ですが,弁護人に委託することで手続きを代替させることもできます。弁護士に委託をした場合には,被害者参加人または弁護士が公判期日に出席することができるようになります。弁護士は,ご遺族との事前の打ち合わせを踏まえ,検察官の訴訟進行に対する意見を述べたりすることもできますし,自ら質問することもできます。また,裁判の最後に,被害者参加人は意見陳述をすることが認められています。この手続きのなかで,加害者である被告人に直接遺族の思いを伝えることが可能です。

②性被害にあった被害者の方が裁判に参加する事例
 性被害にあった被害者の方であっても被害者参加人として裁判に参加することが可能です。そして,その際には他の犯罪と異なる配慮を裁判所に求めることができます。
 具体的には,被害者参加人が一人で公判期日に出席することに著しい不安や緊張を覚えるおそれがある場合には,裁判所が適当と認める者を付き添わせることができます。また,公判期日に出席することによる精神の平穏やプライバシーの観点から被告人や傍聴人との間にパーテーションで姿が見えないようにする遮へい措置を求めることも可能です。これらの配慮を求めたうえで,被害者自身の心情を裁判手続の中で裁判所や被告人に対し伝えることを実現します。

③加害者に損害賠償請求をする事例
 上記①・②いずれのケースでも,加害者に対して慰謝料などの民事上の請求をすることができます。この場合,刑事事件とは別個に,管轄の裁判所に訴状を提出して訴訟を提起することもできますが,刑事事件を担当した裁判所にそのまま民事上の訴訟を扱ってもらう損害賠償命令の手続きを検討します。この手続きを選択した場合,刑事事件の手続きが終結日までに当該刑事裁判所に対して,申し立てをすることになります。そして,刑事裁判の判決後まもなく,当該刑事裁判所において,損害賠償請求についての審理が開始され,原則4回の審理期日で結論をだすことになっています。この手続きのなかで和解をすることもできます。この手続きのメリットは,刑事裁判で取り調べられた証拠を流用できること,4回以内の審理期日で終了させることになっており早期解決が期待できること,裁判所に納める手続き費用が安い(2000円)ことなどがあげられます。
 他方で,この手続きで裁判所がだした結論に対しては,申立人も加害者である被申立人も不服があれば異議の申し立てをすることができ,異議が申し立てられた場合は,訴訟提起があったものとみなされて,通常の民事訴訟手続きが始まりますので,結局,民事訴訟に移行する可能性はあります。どの手続きを選択するかはケースバイケースですが,事実関係について当事者間に争いがなく,求める金額も多額ではない場合には,早期解決を志向してこの手続きを利用することが考えられますが,事実関係に争いがあったり,損害額についても大きく争われる可能性がある場合には,通常の民事訴訟手続を選択するということが考えらえれます。