取り扱い業務

遺言・相続

「うちは遺産といっても自宅と僅かな貯金だけだから,相続争いなんておきませんよ」
「うちは子どもたちの仲がいいから,遺言書なんて必要ありません」

 本当にそうでしょうか・・・

 適切な内容の遺言書が作成されていれば,遺産は遺言書にしたがって相続されます。しかし,遺言書が存在しない場合,遺産の分け方を相続人による話し合い(遺産分割協議)によって決めることとなります。

 話し合いがスムーズに進むこともあれば,感情的な対立が生じてしまうこともありえます。意地の張り合いで相続争いが長期化したり,親族としての付き合いが途絶えてしまったりしては,遺産を残したご本人も浮かばれません。

 このような遺産をめぐる争いを予防・解決するために,法律の専門家である弁護士がご協力いたします。

 生前に遺言書を作成しておけば,相続問題の発生を未然に防止することができます。遺言書は形式や内容などについて,法律に様々な規定があり,そのルールを守らなければ,そもそも遺言書の効力が無効になることもあり得ます。それをめぐって争いが生じることにもなりかねません。
 当事務所にご相談いただければ,遺言に関するご本人の具体的な希望をお聞きしたうえで,適法かつ適切な内容の遺言書作成にご協力することができます。

 他方,すでに遺産分割について争いとなっているケースでは,①相続人は一体だれか,②どの財産が遺産なのか,③遺産は一体いくらの金額になるのか(不動産や株式など),④各相続人がどれだけ取得するべきなのか(生前に特別に贈与されたことがあるのか,遺産を増やしたことに貢献した相続人がいるのかなどによる修正),⑤具体的に遺産をどうやって分割するのか(現物分割,代償分割,換価分割)といった様々な事項を話し合い,合意に至る必要があります。
 話し合いによる解決ができない場合には,家庭裁判所の家事調停や家事審判といった手続で解決を図ることも検討しなければなりません。

 このような相続問題を適切に解決するには,法律の専門家であり,かつ,紛争解決の専門家である弁護士こそが適任です。当事務所には複数人の弁護士が所属していますので,相続人や遺産の多い複雑な相続であっても,複数の弁護士がチームを組んで迅速に対応することが可能です。是非,当事務所にご相談ください。

費用については,当事務所の報酬についてのページをご覧ください

報酬のページ

①遺言書を作成する
 遺言書の作成は,ご本人から相談を受ける場合のみならず,相続人の方から相談される場合もあります。もっとも,どちらのケースであっても,弁護士は,相続されることとなるご本人の意思に沿って,遺言書の作成にご助力いたします。
その際には,民法上の相続分や遺留分と呼ばれる相続割合に問題が生じないかという観点だけでなく,後見や家族信託といった別の制度との兼ね合いで遺言書が上手く機能するか,あるいは税理士との連携のなかで税法上問題がないか等の様々な観点から検討を加えます。
 また,ご本人が老人ホームに入所しているケースや会話や手の動きが不自由なケースであっても,ご本人の判断能力に問題がないときには,公証人との打ち合わせを重ね,公正証書遺言の作成にご協力することも考えられます。
 作成した遺言書が適切に執行されるよう当事務所の弁護士を遺言執行者としておくことも可能です。

②相続人全員で遺産分割協議書を作成し,遺産分割を行う
 相続人の間で,相続の仕方について大きな争いがない場合には,相続人の間での話し合いで,遺産分割協議書を作成して,その協議書にしたがって遺産を分けることができます。不動産がある場合でも,遺産分割協議書に全員が実印を押印し,印鑑登録証明書をつけていれば,不動産登記もできますし,預貯金を払い戻して,遺産分割協議書にしたがって分配することも可能です。
 例えば,相続財産の大部分が田舎の土地で,長男が農業を継ぐという場合等,法定相続分にしたがって分割してしまうと,長男が農業を行うことができなくなってしまう場合等も考えられます。この場合,相続人全員が納得していれば,例えば,長男に全ての財産を取得させるなど,法定相続分に縛られずに,誰が何を相続するのかを相続人全員の協議で自由に決められます。

③裁判所に遺産分割調停を申し立てるケース
 相続人の間での話し合いでは解決できないくらい相続人間での意見対立が激しい場合には,裁判所に遺産分割の調停を申し立てることを検討します。
 遺産分割調停では,相続人のうち,調停の申立人と相手方の間に調停委員が入って話し合いを取り持ちます。調停委員が関与のもと,相続人は誰なのか,相続財産はどこまで含まれるかを確定していきます。そのうえで,相続財産の価値を測ったうえで,その分割方法を調停での話し合いで決めます。そして,全員が納得すれば,納得した内容にしたがって,裁判所が,合意内容が書かれた「調停調書」を作成します。預金の払い戻しや不動産の登記なども,この調停調書を使って行うことができ,各人の実印や印鑑登録証明書などは必要ありません。
 また,もし調停が成立しない場合には,裁判所は,遺産分割の審判を下すことができます。