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僕の初仕事は韓国旅行?! 弁護士 山下 太郎
 10月15日から18日までの日程で、韓国に事務所旅行に行ってきた。まだ実際には事務所で働いていたわけではなかったにもかかわらず、である。今年弁護士登録した人の中で、事務所旅行が初仕事(!?)だったのは、ほぼ間違いなく私だけだろう。とにかく、いい機会だから楽しんでこようと思って韓国に向かったのだが、せっかくの記念なので、そのとき私が見たこと、感じたことを日記として残そうと思う。
1日目
 1日目に向かったのは、安重根義士紀念館だった。安重根(写真2は安重根像)といえば、日本では伊藤博文をハルビン駅で暗殺した人物であり、ともするとテロリストとの評価も一部でなされている人物である。しかし、韓国では彼のことを「義士」と呼ぶ。義士とは、民族や正義のために自分の命を省みずに行動を起こした人のことを指す(これに対して、殺人などといった具体的な行動を起こさずに戦った人のことは「烈士」という)。つまり、少なくとも安重根義士紀念館では、安重根は、日帝(日本帝国主義)の侵略に抵抗するために戦った英雄であるとの位置づけをしているのである。
 安重根がテロリストなのか英雄なのかは見る人によって違うだろうし、私にはそのどちらなのかはわからない。ただ、韓国の人々が、伊藤博文を日帝(日本帝国主義)による朝鮮侵略の元凶ととらえ、安重根を日帝(日本帝国主義)による侵略に対して立ち向かった英雄と考えているという事実から、日本人は目を背けてはいけないと思った。誰かと仲良くなるには、相手がなにを考えているのかを知らなければならない。過去に日本がなにをしたのかを学び、過去の出来事について韓国の人々がどう思っているのかを知るところから始めなければ、韓国の人々との友好など望むべくもないだろう。
2日目
 2日目は、午前中に独立紀念館(写真3)の見学に行った。この独立記念館は、日本の教科書問題が起きたことがきっかけで、1987年に設立されたものである。紀念館の敷地内にはいると、まず正面に「民族の塔」という大きな塔が立っており、さらに中心部には「民族の家」というこれまた巨大な門があり、中には韓国の国旗と不屈の韓国人像という像が飾られている。施設に入ってみて、まず施設が大規模なことに驚かされた。自分の国の歴史を絶対に忘れまいという並々ならぬ熱意が伝わってきた。
 展示室は全部で7つに分かれており、限られた時間でそのすべてを見て回ることは無理だったので、第3展示室から第5展示室までを見た。その内容は、朝鮮人に対する日本語の強制物資の供出の強制など、かつての日本が朝鮮を属国化するためにとった政策に関する資料、日本の朝鮮支配に抵抗した朝鮮の人々に対して行った数々の残虐な拷問や処刑の写真や拷問を再現した模型、日本の支配に抵抗した人々の戦いの様子などの展示であった。私は、かつての日本が朝鮮の人々に対してこれほどひどい拷問をしていたことも、朝鮮の人々が日本の支配に抵抗するためにロシアに渡って義勇軍を組織して戦いを繰り広げていたことも、全然知らなかった。韓国の隣国に暮らしていて、韓国の歴史についてなにも知らなかったことを恥じた。それと同時に、人が他者を支配の対象として扱おうとするとき、人はここまで残酷になれることに驚いた。拷問や処刑をしている日本人の多くは、戦争が起こる前は日本で平和に生活していた人々であったろう。戦争という国家政策は、そんなふつうの人々を、このような行為に駆り立てるものなのだ。(次月に続く)
注)写真1、4はソウルのバゴダ公園。三・一独立運動発祥の地。1)は、独立宣言文を読み上げた八角の建物。4)は抗日運動を描く10枚のレリーフ。
  P1(窪田) P3(山下2-2) P4(木村) P2
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