←前のページ 次のページ→   2005年9月1日  
「お引っ越し」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西郷 重人・・・・・・
 十数年ぶりに引っ越した。
 今までの家は土地取得の時点で区画整理予定地で、建築確認手続の際も念書提出を前提とするという、いわば予定の行動ではあった。長男の小学校入学に間に合わせ、今やその娘が遊びに来るそれなりの想いもなくはない家であった。
 若かったときはあちこち移り住むのも結構楽しいものだったが、今回はただひたすら億劫であった。
 で、引越業者の見積もりが出、退去日が決まり、取り壊し日程も決まり、最後にやっと転居先が決まるというなかなかスリリングな数日を経験した。
 ところで、家を手放さざるを得ない方と接触する機会も仕事柄多いわけであるが、今回の家探しで2,3件歩いてみて「簡単なことではないなあ」と実感した。これまでが贅沢だったと言えばそれまでであるが、落魄感とでも言うのだろうか、生活のイメージがし難いのである。ヒューッと冷たい風が吹き抜けるような気分。
 家にこだわる人は多いが、そこで停滞する訳にも行かず淡々と事を進め、時には「まだですか」とハッパもかけて来た。判ったようなことを軽々に言っちゃあいかん場合もあるなあと反省。
 それで移った先が何とも言い難い。部屋数は今までより多く、照明器具類もやたらと付いてスイッチだらけ。渡された鍵も8種類、2台分のガレージには妻と私の自転車を置く。おまけに管理不要、収益だけ受け取れるコインランドリー付。バブル期に造ったのだろうが訳が分からない。
 これではいずれまた転居するとき今回以上の落ち込み気分を味わうことになるだろう。密かに狙っていた独立も果たせないまま夏が過ぎてしまうのである。

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