←前のページ 次のページ→   2005年8月1日  
七生養護学校の「こころとからだの学習」裁判へ
市民のみなさんのご支援を
弁護士 木村 真実
 都立七生養護学校をめぐる2003年の「事件」をご記憶でしょうか。
 1999年におきた生徒の性的問題行動を機に始められた同校の「こころとからだの学習」は全学年を通しての教育プログラムであり、それは、学年間の統一的連携、障がいの状況別のグループ分け、「からだうた」や人形等の教材を使用した具体的指導、保護者等との連携などを特徴としていました。1999年、2000年には養護学校校長会・教頭会主催の研修会でも取り上げられ高い評価を得ていました。
 しかし、2003年7月4日に行われた産経新聞記者を同行しての都議らの介入、それに続く都教委の全職員聴取、ことさらに「性器」を取りあげて「不適切」とし、それが特定イデオロギーのなせる業であるとした非難、教員への厳重注意、教材の都教委による取り上げ、そして都教委作成による「性教育」がとって変わりました。「赤ちゃん人形」さえ教材として使用することが自粛させられています。
 しかし、今年1月に出された東京弁護士会の人権救済の「警告」は、「七生養護学校の教育が、文部省や都教委の性教育に関する政策に即したものであり、2002年末ころからの一部都議の質問を契機に都教委の性教育に関する政策が急速に変化してきたこと」や「知的障がい児の性教育にその特性に応じた配慮が必要であることは学習指導要領も含めて共通理解になってきているところ、七生養護学校の『こころとからだの学習』とその教材は、障がい児の特性に配慮したものであること」などを認定した上、都議の行為は、議員の職務に名を借りた教育への介入であるから、それを放置した都教委とともに教育基本法10条に反し、教員の処分は行政裁量を逸脱するものである、と指摘しています。
 同「警告」は、乱暴な介入に対して、ていねいな論理でその非を諭したものですが、都教委は謝罪はもとより、介入した都議の議会質問に答える形で「弁護士会の自由な活動の一環」で「(警告は)法的拘束性はない」ことを強調しただけです。教材の返還もしようとしません。
 そこで、5月12日、七生養護学校のもと・現教員25名と卒業生の保護者2名は、七生養護学校への介入の問題に関わってきた弁護士17名を代理人にし、東京都、東京都教委、古賀、土屋、田代の3都議、産経新聞社を被告として、1人あたり99万円の慰謝料と教材の返還を求めて「こころとからだの学習」裁判を起こしました。この裁判では、「こころとからだの学習」が提起した@性教育の必要性、A障がい児の特性に配慮した教育の重要性、B行政による教育内容への不当な介入を明らかにすることがテーマになると考えています。@やAは今まであまり裁判の場で議論されてこなかったテーマであり、Bは日の丸・君が代などともつながる「いま」のテーマです。
 裁判は、8月24日13時、東京地方裁判所(霞ヶ関)1階にて第1回の法廷が予定されています。この法廷では、原告の意見陳述や弁護団の訴状の要旨の読み上げなどが予定されています。是非法廷に足をお運びいただき、傍聴席からご支援いただければ、と思います。
 また、裁判を支援する団体として「こころとからだの学習」を支援する全国連絡会(準備会)が立ち上げられ、上野千鶴子さん、小山内美江子さん、斎藤貴男さん、辛淑玉さん、朴慶南さんほか50人以上の方々が呼びかけ人になって下さり、日野市民の小林和さんが事務局長をやって下さっています。こちらの連絡先は、
104−0061東京都中央区銀座3−3−6 児玉法律事務所気付
◆FAX 03(3535)2755◆電子メール kokokara0512@yahoo.co.jp
【会費】 個人1000円(できる限り2口以上お願いします) 団体3000円です。
【郵便振替】00150−8−351743 「こころとからだの学習」裁判支援全国連

ブックレット「七生養護学校の教育を壊さないで」
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