←前のページ 次のページ→   2005年2月1日  
●連載8
弁護士 木村 真実
●面接交渉(文中の事件はまったくのフィクションです。)
最近、家事事件の話ばかりですけど、何件くらいあるんですか?
離婚関係の調停と交渉で6件、養子縁組関係の調停が2件、遺産分割の調停が2件。今日離婚がもう1件。八王子だけならいいけど、さいたまだったり千葉だったり小田原だったりするもんで、なかなかたいへん。
僕も最近ややこしい離婚事件が多いんですが、特に子どもの親権と面接交渉でもめているのが多くって。
難しいよねえ。最近Yさんも父親になって、より難しくなったんじゃないの?
そうですねえ、父親が育児に参加できていないことが多くって、母親が親権をとることが多いじゃないですか。そういうのを目にすると、もう少し早く帰ろうかなって、思いますよねえ。
僕なんか、離婚したら親権はあきらめる、養育費はこのくらい、とかって子どもが産まれたころからうちでも話してるけどねえ。
娘さんのこと目に入れても痛くないくせに、さばさばしていますねえ。
だって、家事だけで11件だよ。そのほか、破産に刑事、行政相手、普通の民事だって・・・。
愚痴はそのくらいにして、面接交渉の時ってどんなことを基準にしますか。
依頼者が父親や母親だから、依頼者を無視することはできないけれど、でも、何が子どもの福祉なのか、それにつきると思うんだ。
でも、子どもの福祉って言ったって難しいでしょう。
いやあ、大きい子で、自分から「会いたくない」っていっている場合はともかく、そうでない場合は、会わせておくっていうのが基本じゃないかなあ。
特に親権をとった母親の方は、子どもと2人(3人)の暮らしを大切にしたいと言うことが多いですよねえ。
たしかに、そういう方がいい場合もあるんだろうけど、父親と会わないで暮らしていて、たとえばいじめにあったとか、少年事件を起こしたという、その子にとって一大事の時に、母親だけで対処できるのかなあ。子どもや母親が病気になった時だって父親の力が借りられた方がいいんじゃないかなあ。そりゃあ、まわりの人だって力になってくれると思うけど、いくつかの事件を見ていて、やっぱり父親の存在って大きいと思うんだよなあ。
場所や頻度でもめることも多いですよね。
そうだねえ、面接交渉に使える場所がまだまだ少ないんだよねえ。何回かだったら、たとえばうちの事務所とかでもいいんじゃない?いずれにしても、面接交渉はもめることが多いから、決めた枠組みをなるべく守ることが大切だよねえ。
それでも月1回とかの面接はどうしてもだめだ、とか言ったら?
手紙や写真のやりとりからはいるとか、第三者が立ち会ったらどうか、とかいろいろ工夫の余地はあると思うんだ。
養育費を払わないような場合はどうですか。
養育費の支払いと面接交渉がバーターなのはおかしいと思う。もちろん、養育費を支払わないような親は面接交渉もしないことが多いけど、それはそれ、これはこれ、でどちらも子どものためのものでしょう。いずれにしても、面接交渉は、両親の信頼関係がないとうまくいかないから、子どもに他方の悪口を言ったり、いつまでも相手の悪いところにこだわったりするとうまくいかないよね。2人は他人、でも父親と母親、と割り切れないとね。
そういうことって、弁護士によっても、また調停委員によっても少し考え方が違いますよね。
そうだね。親の権利ではなく、子どもを作っておきながら両親が離ればなれに暮らさざるを得なくなった子どものためのものだということから出発すれば、どこかで解決できると思うけど。
うーん、やっぱり難しいなあ。

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