←前のページ 次のページ→   2003年1月1日  
●連載その7
 連載その3では、重視することの1つとして「反省をし、被害者の方にお詫びすること」だと書きました。今回は、「反省を深めること」について書いてみたいと思います。
 初めて警察署に会いに行って「反省をしていますか。」と訊けば、多くの人が「反省をしています。」と答えます。そして、その言葉の多くは、本心から反省しているのだと思います。では、なぜまた同じようなことをやってしまう人がいるのか。その原因のひとつが、反省が深まっていないからだと思います。
 Fさんは、下着窃盗で、逮捕されました。会いに行くと、小さい体をさらに小さくして、「悪かったと思っています」と言います。でも、よく訊くと、数年おきにもう3どめだと言います。病気だと考えない限り、反省が足りなかったと言わざるを得ません。
 とはいえ、人生経験の浅い僕に妙案があるわけでもありません。あなた(の身内の女性)が被害者となったらどうか、などと話し、考えたことを話してもらい、他方で、刑務所に行ったときの辛さを話し、今、塀の上を歩いているのだということを時間をかけて話しました。
 こういうことがどのくらいFさんの心に届いたか分かりません。でも、警察官や検察官と違った角度から、「自分の味方だ」と思ってもらった弁護士だからこそ言えることもあると思います。裁判にならずに済み、社会に出てきてあいさつの電話をかけてきたFさんの「もう絶対しません」という言葉に期待したいと思っています。

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