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長年、家を借りて家族で生活していました。契約期間は2年間で、これまで何度も契約更新を重ねてきたところ、立ち退き通知が届いて・・
  先頃大家から手紙が来て「あと7ケ月で契約期間が満了するが、次回の契約更新は行わないので、今度の契約期間の満了時に立ち退いてほしい」とありました。
無条件で明け渡しをしなければならないのでしょうか。

借地借家法という法律では、このような場合、立場の弱い賃借人保護のために、賃貸人の一方的な更新拒絶に制限を設けています。以下、借地借家法で定める、その要件についてお話しましょう。

立ち退き通知は、1年から6ヶ月前まで
借地借家法という法律では、建物の賃貸借契約について期間満了後の更新拒絶について、その要件を定めています。
期間の定めがある建物賃貸借の場合に、賃貸人が更新を拒絶しようとする場合には、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、賃借人に対して更新拒絶の通知をする必要があります。
もしこの更新拒絶の通知をしなかった場合には、建物賃貸借契約は、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます(ただし、契約の期間については,定めのないものとされる)(借地借家法26条1項)。
ただし、正当な理由が無ければ無効
そして、この更新の拒絶をしたとしても,無条件に建物賃貸借の更新拒絶が有効となるわけではありません。借地借家法上、建物賃貸人が契約の更新を拒絶するためには、「正当事由」が必要とされています。
正当な事由とは
この正当事由について、借地借家法は、
1、 建物賃貸人及び賃借人が建物を必要とする事情の他
2、 建物の賃貸借に関する従前の経過
3、 建物の利用状況
4、 及び建物の現況
5、 並びに建物の明け渡しの条件として又は建物の明け渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出(いわゆる立退料を支払うという申し出)
を考慮して決めるとしています(借地借家法28条)。
このように、建物賃貸借契約においては、立場の弱い賃借人保護のために、賃貸人の一方的な更新拒絶は制限を受けています。
ただ、どのような場合に正当事由があるのかについては、借地借家法28条に規定されているように、様々な要素が考慮されるので、個別具体的な事情を精査しなければ正確な判断は不可能です。
正当事由があてはまらない「定期借家契約」
なお、1999(平成11)年の借地借家法の改正で、「定期借家権」(契約で定められた期間満了により、正当事由の有無に関わりなく確定的に賃貸借契約が終了するとの契約。書面によって契約の更新のない旨を定めた契約をし,その旨を賃借人に説明する必要がある)が認められることになりました。よって、最近の建物賃貸借契約については、この定期借家契約である場合もありますので、上記の正当事由に関する説明が当てはまらない場合もあることに注意する必要があります。
【注】1992(平成4)年8月1日より前の賃貸借契約については、借地借家法制定前の「借家法」という規定が適用されるが、その場合でも,規定の内容はほぼ借地借家法と同様であることから、上記に述べたことは、基本的には1992年8月1日より前の契約にも当てはまると考えられる。
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